通信制高校のスクーリングとは?その詳細・メリットなどのご紹介
通信制高校に通う場合、スクーリングは学校によってその回数の違いはあるものの、高校卒業に欠かせないものとなっています。
通信制高校を考えている方にとって、実際に学校へ登校して行われるスクーリングについては、学校選びの際、最も気になることの1つではないでしょうか?
通信制高校には公立と私立があり、学習内容などは同様ですが、スクーリングに関してはだいぶ違いがあります。
そこで今回は、通信制高校のスクーリングについて色々ご紹介してまいります。
ご参考になれば幸いです。
スクーリングとは
スクーリングとは、”学習の指導または各体験の指導を直接受ける”ことです。
面接指導であり、学校へ登校し授業を受けます。
もう少し詳しくみていきましょう。
通信制高校に通う場合、卒業する3本柱は、
(1)3年目の在籍、
(2)74単位の取得、
(3)特別活動の30単位取得、です。
2番目の「74単位の取得」には、以下を繰り返し行います。
@学習をする
学校から支給されるテキストを使い、ネットなどで自習
Aレポート
学習した内容の理解度を確認するためのレポートを作成し、学校へ提出
Bスクーリング
学習の指導または各体験の指導を直接受ける
Cテスト
単位認定試験を受ける
このように、スクーリングは高校卒業のために欠かせないものなのです。
スクーリングが実施される目的
スクーリングが実施される理由には、生徒が卒業条件を満たすためだけでなく、主に2つの理由があります。
生徒が疑問を解消する機会
通信制高校での学習は、レポート作成およびその提出が学習の中心となります。
そして、提出したレポートは添削され生徒に戻されます。
生徒は戻ってきたレポートを確認し、この行程を繰り返すことで学力アップが図られますが、添削された箇所について理解できない、また自分がなぜ間違ったのかが分からないなどといった問題が生じることも事実です。
分からない箇所や疑問をそのままにすると、どんどん分からないところが増えていきます。結果、学習がつまらなくなり、卒業やその先の進路まで影響がでてしまうこともあり得ます。
スクーリングは実際の教師に直接質問をし、生徒がかかえる疑問をそのままにしないための貴重な機会と言えます。
教師と一緒になって疑問点を解決し、学習内容を確実にしていくことができるのがスクーリングの最大の目的です。
友達に会うことでモチベーションをあげられる
3年間の中で時にはやる気が持続せず、モチベーションが下がる時期があります。
そのようなとき、スクーリングは気分を変えてくれます。
登校することに消極的な生徒はスクーリングにも不安な気持ちを抱くかもしれません。しかし、自分と同じ環境や状況の友達と出会える可能性も高く、そういった友達と一緒に時間を過ごすことでお互いの思いをシェアしたり、情報交換できたり、または純粋に学生生活を一緒に楽しむことができる良い機会となります。
実際の生徒からは、スクーリングでレポート作成の動機付けをできた、技術の直接指導を受けられ良い体験となった、この学校の学生であることを実感できた、周りから刺激を受けたなどの声があがっています。
このようなポジティブな行動が、学習するモチベーションをあげるのに役立つことも大きくあり得るのです。
スクーリングを決めるときに大切なこと
各校でスクーリングの頻度も内容も様々ですから、本人の意思確認が大変重要になってきます。
漠然と選ぶことなく、何のために通信制高校に行こうと思うのかを明確にします。
それには、
・現在の状況
・通う目的
これらを考えてみましょう。
例えば、通学に不安がある人はスクーリングの少ないコースからスタート、専門的なことを学びたい人は通学コースなど、本人の現状そして目標に合ったスクーリングを選ぶことが卒業に繋がり、将来にも良い影響を与えることになるでしょう。
公立と私立のパターンの違い
まずは、公立と私立のスクーリングの違いをみてみましょう。
公立
公立の通信制高校は、国によって定められている内容によって運営されています。
よってスクーリングの日程も決まっており、生徒がそのスケジュールに合わせて通学します。公立のどの学校もスクーリングは週1日です。
通信制高校の在籍期間は3年間ですので、その間は週一度、安定して登校する必要があります。
私立
公立と比べて私立の通信制高校では、様々なスクーリングのパターンが用意されています。
スクーリングと一言に言っても、参加回数は各学校やそのコースで違いがあります。
主なパターンとしては、
・週に〜日、と決められたペースで登校する
・年間で〜日と決められたスクーリングに不定期に登校する
・年に1〜2度のスクーリングを集中して行う
などがあります。
多くの私立の通信制高校では「通学コース」を設けていて、その中でも月曜〜金曜まで毎日通うコース、週2日または週1日だけ通うコースなど様々です。
ネットを利用して学習する「在宅コース」を選んだ場合でもスクーリングは必須です。
その回数もやはり学校によって、いろいろ違いがあります。
例えば、N高等学校のネットコースでは、2種類あるスクーリングの1つとして、沖縄での4泊5日の集中合宿を選べます。
生徒が自分で選択することのできる私立のパターンは、そのスクーリングの頻度と自由度で卒業率の高さにも良い影響があると言われています。
このように公立と私立ではスクーリングに関して、大きな違いがあるのです。
スクーリングの多いコースのメリット
通信制高校のスクーリングは全日制同様、月曜〜金曜まで平日毎日通うコースもあれば、年に一度だけ実施している学校まで様々だということはお分かり頂けました。
それではスクーリングの多いコースのメリットとは何でしょう。
通信制高校は基本、自宅などでの自習がメインとなります。計画的に勉強を進める自己管理が必要とされますが、一番避けたいことは勉強が分からなくなり、そのままにしてしまうこと。そして、分からないことが増え、学ぶモチベーションを失ってしまうことでしょう。
ネットで教師とやりとりをすることもできますが、上述した通り、教師や友達と実際に会うことがスクーリングの良さです。
そして、スクーリングが多いと以下のようなメリットが考えられます。
・通学することが習慣になる
スクーリングがあまりにも少ないと、生徒によっては逆に登校日がプレッシャーになってしまいます。ある程度の頻度で通うことでそれが習慣になり、困難でなくなります。
・レポート作成を教師指導のもとで進められる
本来、自宅で作成するサポートを教師指導のもとで進められるので、より正確に学習でき、分からないことあれば即、解決することができます。
・特別のコースがある
通学して学ぶことのできるコースには、プログラミングや美容関係、特別進学コースなど、通信コースよりも選択肢が多いのも魅力です。
スクーリングの多いコースに向いているのはどんなタイプの人?
通信制高校を選ぶ生徒には様々な理由があります。
スポーツ・音楽や芸能など他の活動と両立しやすい、海外に住んでいたけれど日本の高校を卒業したい、マイペースに無理せず高校卒業を目指したい、以前通っていた学校が合わなかった、などなど。
よって選ぶコースも人それぞれでしょう。
その中でスクーリングが多いコース、どんなタイプの人に向いているのでしょう。
・目指しているものがはっきりしている
通学が多めのコースには、特別進学コースや各種専門のスキルを身につけることのできるものがあります。
大学を目指したい人や自分のしたいことがはっきりしている人にとっては、その可能性を伸ばすことができ、同じ考えを持った友人に出会えることは学習を続ける上で励みになります。
・通信制高校でも高校生活を楽しみたい
高校生活は一度きり、高校生活を楽しみたいという人も多いのですが、このような人にはやはりスクーリングが多いコースが合っているでしょう。
学習面だけでなく、学校に登校することで生活リズムを整え、同じ状況にいる友人と出会い、イベントを共に楽しみ、そう過ごしていくなか学校内での自分の居場所も居心地のよいものになるでしょう。
体験入学(オープンキャンパス)
行きたいと思う学校を選んだら、数校の体験入学をされることをぜひお勧めします。
体験入学とは実際に学校へ行き、教育内容・生徒募集要項などを理解するとともに、校舎の雰囲気を感じてみることが目的です。
体験入学お勧めの理由は、
@学校の雰囲気が分かる
A授業の様子が分かる
B様々なコースの設備等を見ることができる
C先生方に疑問点を聞くことができる
D入学前に友達ができる可能性がある
自分の目で確かめることで、自分がその場で学習するイメージができます。
逆に、インターネットやパンフレットで感じた印象と実際に行った印象が違っていたということもあります。
何より、自分の目と感覚で確かめる体験入学は学校選びにとって大切な機会だと言えるでしょう。
通信制高校のスクーリングについてお話ししてきましたが、いかがでしたでしょうか。
通信制高校のスクーリングは生徒の希望によって、コースを変えていくことも可能です。
例えば、最初は「週1日コース」、少し慣れてきたら「週3日コース」、そして「週5日コース」といった具合にです。
これは全日制高校とは全く違うシステムです。
ご本人に合った学校選びをするとき、どんなスクーリングに参加するかはとても大切です。かけがえのない充実した学生生活が送れる学校選びができるよう応援しています。